EUと中央アジア : 欧州近隣諸国政策を超えて

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  • EU ト チュウオウ アジア オウシュウ キンリン ショコク セイサク オ コエテ

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抄録

ソ連崩壊後の中央アジア諸国の独立に伴って,中央アジアの資源は世界に開かれた公開市場となった.その結果,中央アジアは,資源や影響力の確保をめぐって欧・米・中・露の利害が交錯するアリーナとなった.近年,EUは,対中央アジア政策を強化しているが,この動きは,単にエネルギー資源を確保しようとしているばかりではなく,自らの規範パワー(normative power)に目覚めたEUが欧州近隣諸国政策対象諸国を越えて,さらにその政治・経済的影響圏を拡大しようとしていることを示している.だが,共通価値への収斂をコンディショナリティとして課そうとするEUは,中央アジアにおいてビジネスと規範のジレンマに直面しており,そこで展開されている「グレート・エネルギー・ゲーム」において劣位に立たされている.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 60 (3/4), 111-172, 2011-03-20

    立正大学経済学会

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