国立銀行の再検討 : 発券と預金を中心に

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Other Title
  • コクリツ ギンコウ ノ サイケントウ : ハッケン ト ヨキン オ チュウシン ニ
  • Reconsidering the national banking system in Japan : roles of banknote issuing and deposit taking

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Abstract

本稿の目的は,国立銀行における発券機能と国立銀行の資金源泉の変遷について,再検討を加えることである.第十五国立銀行を除いた全国国立銀行の主要勘定およびいくつかの個別行の主要勘定を分析した結果,不換紙幣化したあとも国立銀行券は信認を保っていたこと,発券総額規制によって預金への資金源泉のシフトが起こりつつあったこと,借入金への依存は国立銀行ではマジョリティとはならなかったこと等が明らかとなった.また,政策面では,資本金総額規制の設計にあたって,各地方の商況に基づいて資本金上限が割り当てられたことを明らかにした.これら本稿のファクト・ファインディングスおよび19 世紀後半という時代状況や英米銀行業との対比もふまえると,国立銀行システムは,従来イメージされてきた以上に近代的銀行業だったといえよう.

Journal

  • エコノミア

    エコノミア 66 (2), 1-13, 2015-11-30

    横浜経済学会

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