江戸川乱歩「幽霊塔」における時計塔 : 「時は金なり」のアイロニー

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抄録

「幽霊塔」は、江戸川乱歩による探偵小説で、一九三七(昭和十二)年一月から一九三八(昭和十三)年四月まで『講談倶楽部』に連載された。これは、黒岩涙香の翻案小説「幽霊塔」(『萬朝報』に一八九九(明治三十二)年八月十日から一八九〇(明治三十三)年三月九日まで連載)をもとに乱歩がリライトしたものである。原作から乱歩版まで、時計塔が物語の舞台であることは変わらない。乱歩が「想像も及ばない奇怪な着想」と言ったように、作品の魅力の核となっているのがこの時計塔である。作中で時計塔は、不可解な事件が起こり、その結果人が亡くなる場所、そして伝説の財宝が隠されている場所である。なぜ、これらの舞台が時計塔なのだろうか。時計塔が舞台であることに何か意味があるのだろうか。これまでの先行研究では、翻案作品であることや、作中に登場する整形手術について論じているものはあるが、時計塔については注目されてこなかった。そこで本稿では、時計塔が作品のなかでどう描かれているか、登場人物との関わりなどに注目して、時計塔がこの作品のなかでどういう意味を持つのかを考察していきたい。

収録刊行物

  • 富大比較文学

    富大比較文学 9, 67-83, 2016

    富山大学比較文学会

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    120005983701
  • NII書誌ID(NCID)
    AA12454430
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • NDL 記事登録ID
    028075030
  • NDL 請求記号
    Z72-B292
  • データ提供元
    NDL  IR 
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