国内におけるPerson-Centered Experiential Approachの研究分布図 ~学会誌を中心として~

抄録

本研究の目的は、日本国内における Person-Centered Experiential Approach の研究分布を明らかにすることである。学会誌である『心理臨床学研究』と『人間性心理学研究』に焦点をあて、本研究の対象であると判断した論文 162 編を、年代別の傾向、引用文献、研究領域の 3 つの観点から概観した。その結果、国内における PCEA の研究は、年々増加傾向にあることが確認された。また日本国内の研究は、Carl Rogers の実践や哲学に基づく PCA 研究(40 編)、Carl Rogers の実践や哲学から発展しているエンカウンター・グループ研究(35 編)、Eugene Gendlin の研究や実践に基づくフォーカシング研究(87編)という 3 つに分けられた。各研究領域においては、事例研究が大半を占めており、それぞれの理論に基づいた新たな実践にも取り組まれていた。その一方で、PCA 研究における効果測定を目的とした数量的研究、エンカウンター・グループ研究における理論研究、フォーカシング指向におけるグループ研究の報告数が少ないことも明らかになった。今後は、本研究で明らかになった報告数の少ない研究領域に対して取り組んでいくことで、国内の PCEA 研究の発展につながると思われた。

特集:パーソン・センタード・セラピーの展開

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