パウル・オモンティスのシュラーガーに現れるヴァイマル期の時代現象 : 78回転レコード、同性愛、ユダヤ人問題

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タイトル別名
  • A Phenomenon of its Time : the Weimar Republic as it appears in the Schlager Music of Paul O'Montis : 78 rpm Records,Homosexuality,the Jewish Question
  • パウル ・ オモンティス ノ シュラーガー ニ アラワレル ヴァイマルキ ノ ジダイ ゲンショウ : 78 カイテン レコード 、 ドウ セイアイ 、 ユダヤジン モンダイ

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抄録

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紀要論文

広範な分野のベストセラー商品を表す商用語であった「シュラーガー」という概念が、音楽に特化して\ 使用されるようになったのは19世紀後半のことである。記述された言葉としては、アン・デア・ウィーン\ 劇場で1881年11月25日に初演されたヨハン・シュトラウスのオペレッタ「愉快な戦争」のなかで爆発的\ な反響を得た第二幕のワルツ「自然こそ彼女の喜び」に対する批評記事に初めて現れるとされる1。その\ 稲光の如く「キャッチーなメロディー(zündende Melodie)」をウィーンっ子達が「Schlager」と呼ん\ だのだという。初演で三度のアンコールを受けたアレクサンダー・ジラルディはこの曲の歌唱でウィーン\ のオペレッタのスターとしての地位を確立する。そのメロディーはアレンジを施され、新たに「キス・ワ\ ルツ」として翌年の宮廷舞踏会で披露され、文字通り「シュラーガー(ヒット曲)」となった。\ 以降1910年代まではオペレッタやレヴュー由来の流行歌という側面が強かったシュラーガーは、所謂\ 「黄金の20年代」にレコードという新しいメディアの興隆と共に独立した音楽ジャンルとして機能し始\ める。同時にヴァイマル期の心情を反映してそのテーマを拡大し、またその担い手の多くがユダヤ人で\ あったことから台頭するナチによる迫害を如実に反映するに至る。本論は、パウル・オモンティス(Paul\ O’Montis, 1894-1940)のシュラーガーを手掛かりに、レコード産業の発展、同性愛、ユダヤ人問題といっ\ たヴァイマル期の時代現象を跡付けていく試みである。

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