連合国戦争犯罪政策の形成 -連合国戦争犯罪委員会と英米(下)-

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タイトル別名
  • レンゴウコク センソウ ハンザイ セイサク ノ ケイセイ レンゴウコク センソウ ハンザイ イインカイ ト エイベイ ゲ
  • レンゴウコクセンソウハンザイセイサクノケイセイ レンゴウコクセンソウハンザイイインカイトベイエイ(ゲ)
  • The Formation of Allied Policy forWar Crimes : United NationsWar Crimes Commission and Its Relations to UK and USA

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抄録

本稿では連合国の戦争犯罪政策の形成過程について、連合国戦争犯罪委員会に焦点をあて、同時に連合国の中小国の動向、役割に注意し、かつイギリスとアメリカ政府の動向を合わせて分析する。枢軸国による残虐行為に対してどのように対処するのかという問題を扱うために連合国戦争犯罪委員会が設置された。委員会は従来の戦争犯罪概念を超える事態に対処すべく法的理論的に検討をすすめ、国際法廷によって犯罪者を処罰する方針を示した。だがそれはイギリスの反対で潰された。その一方、委員会の議論は米陸軍内で継承されアメリカのイニシアティブにより主要戦犯を国際法廷で裁く方式が取り入れられていった。委員会における議論はその後に定式化される「人道に対する罪」や「平和に対する罪」に繋がるものであり、理論的にも一定の役割を果たすことになった。だが当初の国際協調的な方向から米主導型に変化し、そのことが戦犯裁判のあり方に大きな問題を残すことになった。

収録刊行物

  • 自然人間社会

    自然人間社会 37 51-77, 2004-07

    関東学院大学経済学部教養学会

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