東ガリツィアにおけるホロコーストの展開

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  • ヒガシ ガリツィア ニ オケル ホロコースト ノ テンカイ
  • Holocaust in East Galicia 1941-1942

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ヒトラー・第三帝国によって行われたホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)は独ソ戦と世界大戦の過程で行われた。電撃戦勝利の甘い幻想がソ連の反撃で打ち砕かれる過程は,第三帝国占領下の諸地域における治安事情,軍需経済の事情,食糧事情,衛生事情,住宅事情などが総合的に悪化する過程でもあった。そうした第三帝国の敗退諸要因は,ドイツ占領下の各地域で露呈し,ソ連地域,ソ連とドイツの中間地帯(とくにポーランド)できわめて深刻であった。ポーランド総督府のユダヤ人がホロコーストの犠牲者となるのは必然となった。そうした関連性がとりわけ最初に鮮明に出てくるガリツィア地区に関して,若干紹介しておきたい。世界平和の構築・強靭化には,過去の悲劇を直視することが必要であり,その世界史的な悲劇を構成する諸要因・諸関連を冷徹に解明することがひとつの重要なステップとなると思われるからである。

故野田敬一氏とは経済史の遠藤輝明ゼミの仲間として,世界の歴史から学び世界平和の構築・強靭化のためにともに歩んできたが,ここにその決意を新たにしつつ拙稿をご霊前にささげたい。

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