マルサスにおける機械導入と雇用

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  • マルサス ニ オケル キカイドウニュウ ト コヨウ
  • Malthus's Theory of the Effect of Machinery on Employment

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マルサスは一般に機械導入に関する補償説には批判的であったとされるが,同時に機械導入の全般的利益もまた主張している。本稿では『経済学原理』第4章第3節および第7章第5節を中心にマルサスの考察を検討し,補償説に対する彼の立場を論じることとしたい。マルサスは固定資本の流動資本の転化の可能性を認めるものの,社会全体としては雇用は総生産物価値に規定されると論じ,現実的には機械導入が雇用排除をもたらす可能性はないとしている。ただしマルサスは,生産物の低廉化による国内市場の拡大は十分ではなく,国外市場の拡大を考慮に入れることで,機械導入の全般的利益を想定しうるとしている。このようにマルサスは,補償説的な立場をとっていたとみなしうるが,その前提に生産物の低廉化による国外市場の拡大を想定していたことが示される。

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