フィールドワーク実践報告 居住6年目を迎えた岩手県陸前高田市仮設住宅における被災者の暮らし : 被災住民のエンパワメント形成支援による地域再生の可能性と課題(6)

書誌事項

タイトル別名
  • フィールドワーク ジッセン ホウコク キョジュウ 6ネンメ オ ムカエタ イワテケン リクゼンタカタシ カセツ ジュウタク ニ オケル ヒサイシャ ノ クラシ : ヒサイ ジュウミン ノ エンパワメント ケイセイ シエン ニ ヨル チイキ サイセイ ノ カノウセイ ト カダイ(6)
  • Fieldwork Report : A interview research to temporary housing developments in Rikuzentakata area of Iwate prefecture for sixth year : Possibility and Problem about Resuscitation of Community by the Support producing the Empowerment to the People damaged the Earthquake disaster(6)

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抄録

type:Article

陸前高田地域再生支援研究プロジェクトは、東日本大震災において岩手県で最も甚大な被害にあった陸前高田市において、被災住民自身が地域の再生、生活再建に向けてその課題を話し合い、主体的な取り組みを行うことを支援してきている。そして、仮設住宅および被災地域におけるコミュニティ形成のあり方を共に模索しながら、今後の復興における地域再生のモデルづくりに寄与することを目的として、今日まで活動を続けている。本プロジェクトは、上記に関する活動の一環として、2016 年8月に、2011年から引き続き6回目となる市内・外合わせて49の仮設住宅団地の自治会長等へのインタビュー調査、また今回は、2013年8月以来2回目となる仮設住宅に居住している866世帯に、仮設住宅における暮らしの状況と今後の意向等について、アンケート調査を行なった。本稿では、仮設住宅自治会長等に対するインタビュー調査結果の概要と、巻末に仮設住宅居住者へのアンケート調査の分析結果を速報版として掲載している。前者の内容としては、入居6年目を迎えた仮設住宅団地における①転出・転入、空き住戸等の居住状況、②高齢者や子どもなど配慮が必要な人の状況、③住環境、生活環境の問題と対応、④自治会活動とコミュニティ形成の状況、⑤外部支援団体の関与の状況、⑥住宅再建・復興まちづくりに関する情報や意見等についてであり、それらの全体的な概要と各9地域の特徴について整理している。調査時点において震災発生から約5年半が経とうとしており、災害公営住宅への入居や、防災集団移転事業による高台の造成が終了し、仮設住宅からの移転が本格化してきている。一方、気仙町今泉地区と高田町地区の大規模な土地のかさ上げによる区画整理事業の完成時期がまだ約3年後とされており、なかなか将来の展望が目に見えない世帯が少なからずあり、昨年度に比べて世帯・地域間格差の広がりが見られ、今後の支援のあり方が問われる。 本稿で記した概要に加えて、各仮設住宅団地のデータの詳細、アンケート調査の結果を報告書としてまとめ、仮設住宅団地自治会長、行政、市議会、支援団体等広く関係者に送付し、今後の復興施策へのフィードバックを図っている。

収録刊行物

  • 現代福祉研究

    現代福祉研究 17 63-104, 2017-03-01

    法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会

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