複合動詞「Vおく」の用法とその衰退

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  • フクゴウ ドウシ 「 Vオク 」 ノ ヨウホウ ト ソノ スイタイ

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抄録

複合動詞「Vおく」衰退の実態を、資料から得た実例とコーパスにおける用例数推移により示した。「Vおく」は、古代から近代まで前項Vに多様な動詞をとる生産性の高い複合動詞として多用され「送置」「差遣し置く」「要求し置く」等の形で、(a)存在、(b)効力持続を広く表すものであった。しかし、現代には、前項Vに立つのは「書く」「取る」等の限られた動詞のみとなっている。この変化について近代コーパスで調べた結果、「Vおく」の用例数は、1895年の300例あまりから徐々に減少し、1925年時点では約10分の1の30例であった。このことから、「Vおく」は近代に用法が限定化し、現代のような生産性の低い複合動詞に変化したと結論した。

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