江戸時代の水田と自然環境 : 琉球との比較から

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  • Paddy Fields and the Natural Environment of the Edo Period : The Comparative Study on Kanazawa and Ryukyu
  • エド ジダイ ノ スイデン ト シゼン カンキョウ : リュウキュウ ト ノ ヒカク カラ

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抄録

小稿の目的は、絵画資料を分析しながら、江戸時代の水田と、それを取り巻く自然環境を明らかにすることである。江戸時代の17 世紀は、新田開発の時代である。平野部には水田が広がり、生産されたコメが社会を支えた。国全体の財政システムも、コメが基準とされた。その結果、人口が急激に増加し、社会は経済成長を成し遂げた。ところで、水田は、人間の視点に立てば、コメを生産する場である。だが、生き物の視点に立てば、水田は水辺でもある。水辺には、動物や鳥、魚などの多様な生き物が生息する。たとえば、イノシシ、シカ、タカ、ツル、コイ、へピ、カエノレなどの名があげられよう。江戸時代には、現代のような生き物を殺す農薬が使われていなかった。したがって、水田が広がったということは、水辺の生き物も増えたことを意味しよう。はたして、水田は生き物を増やしたのか。これを検証するために、江戸中期の農村の風景が描かれた絵農書『農業図絵』をとりあげる。この絵に描かれている生き物に注目し、水田の生態系を復原し、江戸時代の自然環境を明らかにする。

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