日本の小学校英語教員養成のための教育実践 <実践論文>

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  • Pre-service Teacher Training Practices for Primary English Education in Japan <Practical Research>

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抄録

教育再生実行会議のグローバル化への対応などに関する提言案が示され,世界で活躍する人材育成に向け,現在小学校高学年で行われている英語教育について正式な教科にすることや,開始学年を引き下げることが進言された。また,文部科学省(2013)「グローパル化に対応した英語教育改革実施計画」の具体化のため,英語教育の在り方に関する有識者会議が開催され,国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要であるという認識のもと,英語力を向上するための改革案が提示された。各教員養成系大学及び教育学部では,改革案で提言された事項を踏まえ,教員養成における開講科目や履修基準を検討している。また,小学校教育課程に英語が教科として追加されることに伴い,小学校教科及び教職科目の履修基準を見直し,カリキュラム改正を審議している。しかしながら,課程認定を受けている大学のうち中高教員養成課程(外国語科)に小学校英語関係の科目を開講したり,小学校教員養成課程に英語関係の科目を開講している大学などもあるが,英語の指導において高度な教育実践力を身につけた教員を養成することには至っていない。本稿は,このような諸課題に対応するため,教員養成の高度化を考慮した千葉大学,愛知教育大学,広島大学の教育実践を紹介する。例えば,千葉大学教育学部では,小学校教員養成課程の中に英語選修を設置し,国際理解教育や異文化理解,外国語活動の授業(「外国語活動Ⅰ」「外国語活動Ⅱ」等),さらには小学校において英語が教科として位置づけられることを踏まえて,小学校英語の授業(「小学校英語演習」「小学校英語実践」等)を開講している。また海外の小学校での実習体験を通して異文化理解能力を高めるとともに,教育実習を学生自ら企画・運営することによってマネジメント能力を身につける「海外教育実習」を実施している。これらの教科化する小学校英語に対応するための各大学の取り組みを通して,小学校英語を担当する教員にとって必要な資質や能力を明確化し,英語を指導できる小学校教員を養成するための授業科目とカリキュラムの体系化を考察する。また,教科に対する高い専門性と現場の教育課題に的確に対応できる実践的指導能力を有する小学校教員を育成するため「小学校英語のための教員養成カリキュラム」を議論する。

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