喪の作法 : キプリングの「園丁」

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抄録

1 ラドヤード・キプリングの「園丁」(1925)は、ある独身女性が甥をみずからの手で育て、戦争(第一次大戦)で亡くしたあと、墓を訪れるまでの顛末を描いた短篇である。後期キプリングの詩や短篇では大戦がさまざまなかたちで扱われているが、その代表作のひとつである。エドマンド・ウィルソンは、評論「誰にも読まれなかったキプリング」(1941)のなかで、この作品をキプリングの最高傑作と賞賛している。ウィルソンによれば、ここでは「一見すると何気ない話をしながら、重要な情報を隠すことによって結末を準備する」というキプリングの方法が「途方もない力の効果を生みだしている」。小論の関心は、この小説技法の面と、戦争ものとしての側面の両方にある。……

収録刊行物

  • 表現文化

    表現文化 10 21-40, 2017-03

    大阪市立大学文学研究科表現文化学教室

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