カナダの国籍概念と選挙権--英国臣民からカナダ人へ [in Japanese] Nationality and voting rights in Canada: from British subjects to Canadians [in Japanese]
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Abstract
カナダは英国の植民地として発展してきたため、法制度や政治制度など英国の影響を強く受けてきた。しかし第二次世界大戦後、おもに英語系カナダの指導者たちは、英国との歴史的連続性を否定するわけではないが、独自の国籍概念を導入することになった。それまではカナダ人は「カナダに在住する英国臣民」という定義が公的に認められてきたが、英国臣民という側面に加えてカナダ独自の国籍概念を新しくここで導入した。その後、1977年にはカナダ国籍と英国臣民と無関係という方向へ進み、英国との歴史的連続性を断ち切った。なお国籍概念と連動して選挙権もカナダ社会において大きな意義を持ち、特にマイノリティを差別する法制度が過去には導入されていた。特定の州、特にBC州ではアジア系の移民を差別する制度が設けられ、多くの問題を生み出してきた。
Journal
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- The Journal of law and politics
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The Journal of law and politics 19(1), 1-33, 2009-10
大東文化大学法政学会