北朝墓誌にみる刻法の伝播 : 特定刻法[003]について

書誌事項

タイトル別名
  • ホクチョウ ボシ ニ ミル コクホウ ノ デンパ : トクテイコクホウ[003]ニ ツイテ
  • Diffusion of carving styles seen in epitaphs of the Northern Dynasties : Carving Style [003]

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抄録

刻者が介在してはじめて成立する石刻の書は、筆跡そのものではない。しかし従来、石刻の書を筆跡同然に論じて、書道史を構築してきた。それは刻法に関する知見を得ないままに、筆跡に忠実に刻するのが刻者の当為であるとの通念によって石刻を論じてきたためである。しかし、稿者がこれまで多くの事例を提示してきたように、その通念は時代を遡ると通用せず、刻者は自身が祖述する刻法を駆使して特定の書風を刻出することが多いだけでなく、同じ通性をもつ一類の刻法が時代あるいは地域を超えて伝播する事例もある。本稿は、時代を超えて伝播するその刻法の顕著な事例を、北魏の李媛華・元子直両誌と元徽墓誌との間に検出して特定刻法[003]と仮称し、これを具体的に図示しつつ論じたものである。

収録刊行物

  • 大東書道研究

    大東書道研究 21 94-105, 2014-03-20

    東京 : 大東文化大学書道研究所

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