正義と自由としての社会福祉 ―「商品化」論と「脱商品化」論の関係―

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タイトル別名
  • Social Welfare as Justice and Freedom: The Relationship of Issues between Commodification and De-Commodification
  • セイギ ト ジユウ ト シテ ノ シャカイ フクシ : 「 ショウヒンカ 」 ロン ト 「 ダツショウヒンカ 」 ロン ノ カンケイ

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抄録

日本の戦後社会福祉理論は、社会福祉を社会政策との関係から説明する「補充論」に特徴があった。この場合の社会政策とは大河内一男のマルクス主義的な社会政策論であり、労働力の保全策、言い換えれば労働力の「商品化」政策であり、経済政策と同定される社会政策であった。それは正義や自由の問題を形而上学=非科学として排除するものであった。しかし、今日の社会福祉のテキストでは、「補充論」と併記して、エスピン・アンデルセンの福祉レジームとその指標としての「脱商品化」や、ロールズやセンによる自由の正義論が紹介されている。そこで本論文は、「商品化」論と「脱商品化」論の関係は如何に把握されるべきかを以下のように論じた。すなわち、正義と自由の概念との関係で社会福祉が論じられる背景を正義論の歴史的系譜として説明し(1章)、戦後日本の社会福祉理論形成において正義と自由が何故排除されたかを歴史的文脈から説明し(2章)、戦後日本の社会福祉展開において「脱商品化」論は如何に受容されてきたか、またされるべきかを論じた(3章)。

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