パウロとガラテヤ人の信頼構築の内実 : 「ガラテヤの信徒への手紙」3章1-5節、4章12-15節を中心に

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タイトル別名
  • An inquiry into Paul's relationship with the Galatians : in light of Gal 3:1–5 and 4:12–15
  • パウロ ト ガラテヤジン ノ シンライ コウチク ノ ナイジツ : 「ガラテヤ ノ シント エノ テガミ」3ショウ 1-5セツ、4ショウ 12-15セツ オ チュウシン ニ
  • パウロとガラテヤ人の信頼構築の内実 : ガラテヤの信徒への手紙3章1-5節4章12-15節を中心に

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抄録

パウロとガラテヤ人との信頼関係は、おもに「十字架につけられたキリスト」の提示、聖霊受容(洗礼体験)、そしてパウロの疾患に対するガラテヤ人の対処を通して築かれた(ガラ3:1-5; 4:12-15)。本小論は、これらの出来事を古代の宗教的感性(密儀宗教、邪視信仰)や古代の人間論(プネウマ理解、視覚理解)の観点から考察する。この考察を通して本小論は、これらの体験が現代人が想像する以上に具体性と身体性がともなっていたことを明らにする。すなわち、「十字架につけられたキリスト」の提示は、パウロの風貌と外見を実見する視覚的経験であり、聖霊受容は、「力動的実在」である聖霊が関与する、継続した身体的活動であった。そしてパウロの疾患は、ガラテヤ人に深刻な恐怖を与え、さげすみと唾棄に相当するものであったが、ガラテヤ人はパウロを「神の使い」、「キリスト・イエス」でもあるかのように受け入れた。このようなガラテヤ人がのちに論敵に説得され割礼を受けたことは、パウロに驚きとショック、そして怒りをもたらしたのであった。

収録刊行物

  • 基督教研究

    基督教研究 77 (1), 25-41, 2015-06-23

    基督教研究会

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