家族介護者の介護力構成要素と介護負担感との関連

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  • Link between evaluation of caring ability and sense of burden of family caregivers

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抄録

本研究では、要介護者を在宅で介護する家族介護者の介護力構成要素を明らかにし、介護負担感との関連を検討することを目的とした。介護力について構成要素を規定し38項目の質問紙を作成した。家族介護者1200名に自記式質問紙調査を行い、家族介護者および要介護者の属性、介護状況、介護力について回答を得た。介護力について主因子法によるプロマックス回転を行い回答に偏りの大きい項目や介護力合計点と相関係数の低い項目等を削除し最終的に29項目を選定した。介護力の構成要素の因子は「要介護者を思いやる力」、「介護ケア実践力」、「自己の健康管理力」、「介護生活からの転換力」、「周囲の援助活用力」、「介護に対する負の感情表出力」が抽出された。信頼性・妥当性として、介護力合計得点と各項目の相関係数は0.4以上で29項目全体のCronbachのα係数は0.93であった。累積因子寄与率は64.6%で、抽出された6因子はあらかじめ設定していた介護力の構成要素とほぼ一致していた。介護力は介護負担感に関連しており、精神的負担感が低い家族介護者は大きい家族介護者よりも介護力得点が有意に高かった。因子別では「介護ケア実践力」は肉体的負担感が高い家族介護者は低い場合より有意に高かった。また介護力及び介護負担感は認知症の有無や家族介護者の健康観とも関連している。

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