<論文>猟犬の「変身」 -- 宮崎県椎葉村における猟師と猟犬のコンタクト・ゾーン(接触領域)に着目して
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- 合原, 織部
- 京都大学大学院人間・環境学研究科 博士後期課程
書誌事項
- タイトル別名
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- The Metamorphoses of Hunting-dogs : Trans-species Engagements of Hunters and Hunting-dogs in Shiiba, Miyazaki
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抄録
本稿の目的は、宮崎県椎葉村を対象に、猟師と猟犬との種=横断的交渉のあり方を、日常生活が営まれる里の領域と、狩猟が実践される山の領域の異なる位相から考察することを通じて、各位相に特徴づけられる主体性の相互構築のあり方を検討することにある。九州山間部の狩猟文化を対象とし、猟犬に着目した従来の民俗学研究は、当該地域の狩猟において猟犬がきわめて重要な役割を担うことを指摘してきた。しかし、これらの研究は、狩猟(狩猟伝承)という文脈に限定して猟犬の役割を論じるため、日常生活における猟師と猟犬の関わりが見過ごされてきたことが指摘できる。 また、本稿が両者の関係を考察するうえで着目したいのが、人間と他生物種の交渉を扱い、なかでも人とイヌの関係を重点的に論じたダナ・ハラウェイの研究である [Haraway 2007; ハラウェイ 2013]。ハラウェイは、それらの相互交渉をコンタクト・ゾーンという枠組みを用いて理論化することを試みる。そこでは、コンタクト・ゾーンの特徴を、イヌと人間の絡み合いによる主体性の相互構築が生まれる一方で、複数種がともにあるためには、権力や階層性が深く関与するものと捉えている。本稿も先行研究と視点を同じくし、椎葉村の猟師と猟犬の交渉の場では、上記のコンタクト・ゾーンの特徴が認められることを論じるものである。しかし、本稿では、それらの特徴が、猟師とイヌの接触領域が山であるのか里であるのかによって大きく異なることを示す。上記の民俗学研究やハラウェイの研究は、共通して、イヌと人間の接触領域を一元的に捉えてきたことを指摘できる。本稿では、椎葉村の猟師と猟犬の相互交渉を、猟犬の飼育、狩猟の実際、猟犬の怪我と死、コウザキ信仰といったトピックから検討することを通して、従来の研究では見過ごされてきた里と山という異なる領域間を横断することによって猟犬が全く異なった存在となって立ち現れる諸相を考察する。
収録刊行物
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- コンタクト・ゾーン
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コンタクト・ゾーン 9 (2017), 72-97, 2017-12-31
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050564285805427840
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- NII論文ID
- 120006373917
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- NII書誌ID
- AA12260795
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- ISSN
- 21885974
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- HANDLE
- 2433/228316
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles