牛をフィードステーションに誘導することによる排泄場所の制御

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  • Defecation control through inducement of cattle movement to a feeding station

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抄録

放し飼い牛舎において牛床を設置しない牛舎,いわゆるフリーバーンにおいて,起立直後の牛をフィードステーションへ誘導することにより牛のベッドエリアでの排池を減らす方法を検討することを目的とした.屋外に実験用パドック(1l.3X6.8m)を作成した.パドックの半分に屋根をかけ,ワラを敷いて休息エリアとした.残り半分を給餌エリアとし,フィードステーションを設置した. 6頭のホルスタイン種育成牛を群飼した.午の左後肢に起立検知機を取り付け,牛の起立を自動検知した.フィードステーションには牛の首につけたリスボンダーの個体識別番号を認識するアンテナがついており,起立後の牛にフィードステーションから配合飼料を給与できるようにした.実験は予備期(17日間)と本期(44日間)に分けて実施した.予備期はフィードステーションを封鎖した.本期は処理60(牛が起立後60分間以内にフィードステーションを訪問すると配合飼料を得られる),処理30(30分間以内),処理10(10分間以内),処理5(5分間以内)の4つの処理を行った.処理30,10, 5は,設定した条件に従ってコンピュータで自動的に移行するようにした.朝夕の作業時に休息エリアの糞の個数を数えた.休息エリアでの糞の平均個数は予備期23.5±7.8個に対し,本期では12.5±6.4個と有意(pく0.01)に減少した.このことから,牛が起立直後にフィードステーションを訪問するよう条件づけするか,またはその方向に移動するようにできれば,排泄場所をある程度制御することができると考えられた.

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