空間認知に困難を示すアスペルガー障害児への文字指導
抄録
空間認知能力の低いアスペルガー障害児に対して、小学校で学習する時期に合わせて、ひらがなとカタカナの文字指導を試みた。最初に心理検査など実態調査を実施し、認知処理様式の特性を詳細に分析した口その後、強い能力を活かした教材( 部屋分けしたマス、ひらがなの手本、カタカナの手本) を開発して、段階的に文字指導を行った。その結果、最終的に小学校1年生で通常使用しているノートの大きさである25mm×25mmのマスの中に、ひらがなの清音46文字を計14回の指導で、カタカナの清音46文字を11回の指導で正確に字を書くことができ、鏡文字や極端に線が曲がる文字等が改善された。また、視知覚発達検査で、10ヶ月の遅れがあった「形の恒常性」と「空間関係」が、3ヶ月の遅れに改善してきた。さらに、対象児の認知処理様式の特徴を担任教師や保護者に伝えることで、その後に指導や対応に活かすことにつながった。
収録刊行物
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- 宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要
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宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要 (3), 47-58, 2008-06
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282812571163776
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- NII論文ID
- 120006399885
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles