『古事記』におけるオケ王即位の正当性とイヒトヨ王

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タイトル別名
  • Legitimacy of the Enthronement of Oké-ou and Iitoyo-ou
  • 『 コジキ 』 ニ オケル オケオウ ソクイ ノ セイトウセイ ト イヒトヨオウ

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抄録

『記』『紀』のオケ王(仁賢天皇)・ヲケ王(顕宗天皇)兄弟の物語には,王統上重要な二王の即位の正当 性を語るとともに,王統譜においてとりわけ重要な位置にあるオケの正統性を語る狙いがある。『古事記』は, ヲケとシビの歌垣と,それに続く二王によるシビ討伐のプロットを物語に組み込むことでこの狙いを達成し た。二王がシビを武力討伐し,さらにオケが王位継承を宣明することで,二王の即位の正当性とオケの正統 性を示している。また,二王の姨・イヒトヨ王の,二王の即位への関与は抑制的に記される。二王はシビ討 伐により自らの力で王権を掌握したのであって,そこに日継を知らす王として認められていたはずのイヒト ヨ王の関与をみることはできない。

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