障害学生支援の合理的配慮の妥当性評価からみた基準作りに関する検討

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タイトル別名
  • Toward standardization of “reasonable accommodation” for students with disabilities by evaluating its validity
  • ショウガイ ガクセイ シエン ノ ゴウリテキ ハイリョ ノ ダトウセイ ヒョウカ カラ ミタ キジュン ズクリ ニ カンスル ケントウ

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抄録

障害学生支援における合理的配慮の妥当性評価を行い,その結果で基準案を作成することを目的とする。障害学生支援または保健管理に携わるスタッフ7名が,仮想事例5事例(聴覚,肢体不自由,発達障害2例,内部障害)に対して,合理的配慮例(授業の情報保障,欠席時の対応,履修基準に関わること,連絡,実習(教育実習,臨床実習),グループ学習・実験,試験,生活支援にも係ること,課外活動,研修会など計80例)について,合理的配慮として妥当性を評価した。妥当性は9段階評価で採点し,「1点:妥当でない ←→5点:中間 ←→9点:妥当」とし,それぞれのスタッフが独立して絶対評価した。さらに,回答者は,全員の1回目の集計結果を見て,再度回答し,デルファイ法に準じて集約を試みた。その結果いずれの仮想事例においても共通して妥当性が「中位」以上とされた事項は,「病院受診のための欠席時には講義の資料が欲しい」,「レポート課題の期限延長」,「重要事項,急な予定変更は,学生用電子掲示板システムへの掲示又は文書で明示」,「事前に作業工程,制限時間,注意事項等を文書で具体的に明示」,「申請,書類作成等に関する助言」,「就労移行支援事業所と連携した就労支援」,「支援関係学生教職員に啓発講習会を開催」であった。その他個々の事例に応じたものがあった。支援の対象も,内容・範囲もますます多様となり,障害学生支援を,より効果的に実施するためには,本人・関係者間での建設的な相談・対話が重要である。その前提として,支援者側はどのような支援が必要であるかの一般的知識と,必要度の定量的評価も知っておくことが有用と考えられた。

収録刊行物

  • 総合保健科学

    総合保健科学 34 29-40, 2018-03-01

    広島大学保健管理センター

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