学術手話通訳における日本手話要素の表出に関する分析 : ろう通訳者と聴通訳者の比較から

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  • Analysis of the expression of Japanese Sign Language elements in academic sign language interpretation : A comparison of deaf and hearing interpreters
  • ガクジュツ シュワ ツウヤク ニ オケル ニホン シュワ ヨウソ ノ ヒョウシュツ ニ カンスル ブンセキ ロウツウヤクシャ ト チョウツウヤクシャ ノ ヒカク カラ

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抄録

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本研究では,学術手話通訳には日本手話の要素が不可欠であるという前提のもと,実際の大学の授業映像を素材とし,日本語を起点言語(SL),日本手話を目標言語(TL)とする翻訳表現について,日本手話母語話者のろう通訳者1名と地域で活動する聴者の手話通訳者10名で比較分析を行った。聴通訳者の翻訳表現は全体にわたってマウジングが伴っているため,日本手話の要素がろう通訳者に比して少なかった。例えば,非手指表現や手の動きの強弱が脱落しているために,アスペクトなどの時間の表現がなく,起点言語である日本語の文意を適切に表現できていなかったり,原語からの借用であることがあいまいであるといった特徴がみられた。また,話題の転換点について,ろう通訳者は,手話単語,ポーズ,うなずき,スライド資料の指さしと視線の誘導などによって示していたが,聴通訳者はこれらの表出があいまいであった。RS表現については題材中,ろう通訳者の訳出で3回表出されていたが,聴通訳者では全くみられなかった。

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