農耕地に囲まれた市街域とそれに隣接した森林域における大気沈着量の比較 : 北海道足寄町における事例

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タイトル別名
  • A comparison of atmospheric deposition at a city area surrounded by agricultural areas and a nearby-forested area- a case study at the town of Ashoro
  • ノウコウチ ニ カコマレタ シガイイキ ト ソレニ リンセツ シタ シンリンイキ ニ オケル タイキ チンチャクリョウ ノ ヒカク : ホッカイドウ アショロマチ ニ オケル ジレイ

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抄録

観測地点の立地条件による大気沈着量の違いを評価するために,北海道足寄町内の市街域とその付近に位置する九州大学北海道演習林内の森林域でバルク降水を2016 年5月から12 月にかけて月2回ごとに採取し,降水量,イオン成分(Cl^-, NO_3^-, SO_4^2-, H^+, Na^+, NH_4^+, K^+, Mg^2+, Ca^2+)濃度,沈着量を比較した。観測期間中の総降水量は森林域で1,236mm,市街域で1,121mm となり,森林域で10% 程度多かったが,過去9年間の年間降水量では必ずしも森林域で多くはなかった。バルク降水のイオン成分濃度は森林域でK^+ とMg^2+ が市街域よりもそれぞれ10%,20% 程度高かったが,それ以外のイオン成分濃度は同程度だった。総降水量とイオン成分濃度を乗じて計算した総沈着量は,総降水量が森林域で10%程度多いために森林域で増加した。このことから,市街域の規模が小さい場合,主に人為起源と考えられているバルク降水中のNO_3^- やSO_4^2- の濃度に立地条件が与える影響は小さい.そのため,沈着量は観測地点における降水量によって違いが生じ得る可能性が考えられた。

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