「南北問題」再考 : 経済格差のグローバル・ヒストリー

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  • ナンボク モンダイ サイコウ ケイザイ カクサ ノ グローバル ヒストリー

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Abstract

1. はじめに : 近年, 所得分配, すなわち経済格差の問題が, 経済学の中で注目を集めている。周知のように, 2014年に, トマ・ピケティの『21世紀の資本』の英語版が刊行されて, 世界的に, 所得分配の問題が脚光を浴びるようになった(Piketty 2014)。ピケティの問題提起は, 特にアングロサクソンの世界において, 現実化する著しい格差問題を背景にして, 強い共感をもって迎えられ, 一部には反発の対象にもなった。ピケティの著書は, 1990年代以降, 相対的に好調な経済とは裏腹に, 著しい経済格差が露わとなってきたイギリス, アメリカなど先進諸国の所得分配の現実を, 実証的に明らかにしたところに特徴がある。同書が明らかにする経済格差は, 基本的に「各国内の不平等(inequality within countries)」の問題である。……

Journal

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 118 (3-4), 27-47, 2018-03

    大阪市立大学経済学会

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