筑波山における観光空間の形成と変容 : 山麓門前町の地域変化に着目して  [in Japanese]

Access this Article

Search this Article

Abstract

本稿では,山岳とそれに付随した門前町を有する地域がいかにして観光空間としての性格を有するようになり,またどのように変容したのかを明らかにすることを目的とした.その際の視点として,本研究では,山岳と門前町の二つの空間スケールを想定し,それぞれの空間スケールにおける各アクターの動向およびそれらの関係性に着目した.筑波山における観光空間の歴史的変遷をみると,筑波山登拝者が増加した17世紀初頭には登山道も整備され門前町が成立した.近代になると鉄道・ケーブルカーの開業や自動車道路の開通に伴い,登山者は大幅に増加した.モータリゼーションの進展とあわせて筑波山は関東圏の日帰り観光地としての地位を確立されたが,一方で宿泊者は減少し,門前町のゲートウェイ機能は失われた.門前町の内部アクターとして現存する宿泊施設と商店・土産物店,筑波山門前町をとりまくアクターとして,神社,行政,観光協会,交通関連企業が指摘された.これらのアクターは筑波山への信仰や観光形態の変化に対して立地や経営形態を順応させるとともに,相互の関係性を変化させてきた.昨今におけるトレッキングブームの到来やジオパークへの登録といった筑波山を取り巻く社会環境の変化に対して,アクター間がいかに連携しながら新たな観光空間を構築できるかが課題となる.本研究の実施にあたっては,旅の文化研究所第24回公募研究プロジェクト(採択課題「日本の山岳空間における登山とツーリズム-登山イメージの変化と地域の対応に関する地理学的分析から-」)の助成の一部を使用した.

Journal

  • 地域研究年報 = Annals of Human and Regional Geography

    地域研究年報 = Annals of Human and Regional Geography (40), 181-218, 2018-04

    Association of Human and Regional Geography, University of Tsukuba

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    120006463957
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA12081027
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • ISSN
    1880-0254
  • Data Source
    IR 
Page Top