犬静脈点滴シミュレーターモデルの動物看護教育における活用法の検討

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  • イヌ ジョウミャク テンテキ シミュレーターモデル ノ ドウブツ カンゴ キョウイク ニ オケル カツヨウホウ ノ ケントウ

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抄録

動物看護教育において、動物福祉の観点から世界的な動物実験の基準理念である3R の原則に基づいた教育を行う必要性がある。しかし、リアリティーのない臨床教育は、卒後の臨床現場での即戦力にはならず、動物看護教育の資質を高めていくことは困難である。そこで、医療シミュレーターとして生体に近い犬静脈点滴モデルを動物看護実習に導入し、教育現場での活用について検討を行った。学生は実習の始まりからシミュレーターを用いたグループ(以下、初期導入グループとする)と実技試験まで使用しないグループ(以下、試験後導入グループとする)にわけ、実習の途中でシミュレーターを用いた実技試験を行い、実技試験を通して学生が静脈点滴の内容をどの程度理解しているか4 人の教員で評価した。さらに実技試験後には、学生が静脈点滴実習の内容についてどの程度理解し、技術習得ができたのか、さらに実技試験を行ったことで今後の技術向上に向けての意欲を自己評価してもらった。またシミュレーターの改善点を考慮するため、シミュレーター本体に対する使用した評価および意見についてアンケート調査を行った。教員が評価した学生の技術習得度は、初期導入グループの方が高い傾向にあったが、学生が自己評価した技術習得度や技術向上への意欲は、試験後導入グループの方が高い傾向がみられた。今回の調査から、動物看護教育における動物医療シミュレーターの有用性と今後の活用についてさらなる検討の必要性を示唆した。

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