Bibliographic Information
- Other Title
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- ゴマツ ヘイサシイン ノ チカク ドイツゴ ボゴワシャ ヲ タイショウ ニ シタ チョウシュ ジッケン ノ ホウコク
Abstract
音声言語の研究(12)
本稿ではドイツ語の語末閉鎖子音の無声化に焦点をあて, ドイツ語母語話者がドイツ語の語末閉鎖子音(/b//d//g//p//t/ /k/) をどのように知覚しているのかを明らかにするために,聴取実験を行った.その結果, ドイツ語母語話者は語末の綴りが有声音/b//d/の語は平均して正答率が43%であるのに対して,語末の綴りが無声音/p//t/の語は平均して正答率が69%であることがわかった.これより,語末の綴りが有声であっても無声で発音される語は正確に知覚されにくいということがわかった.一方,語末が有声音/g/の語は正答率の平均が76%, 語末が無声音/k/の語は64%であり,いずれも正答率が他の語よりも高いことがわかった.これより,語末閉鎖子音の種類によっても知覚の正確さが異なり, /g//k/が語末の場合に正答率が高くなる傾向であることがわかった.さらに,これら/g//k/が語末にある場合,語末の子音/g/は無声化してどちらの発音も[k]になるが,語全体としては母音の長さと直前の子音の閉鎖区間の長さの差が,他の閉鎖子音/b//d//p//t/が語末にある場合よりも比較的保たれる傾向があることがわかった.そして,これらの音声的な違いを手がかりにして,ドイツ語母語話者は2つの語を聞き分けることが可能であるということがわかった.
Journal
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- 言語文化共同研究プロジェクト
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言語文化共同研究プロジェクト 2017 81-90, 2018-05-30
Graduate School of Language and Culture, Osaka University
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174765364608
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- NII Article ID
- 120006484583
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- DOI
- 10.18910/69995
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- HANDLE
- 11094/69995
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
- KAKEN