食品加工事業者の育成における政策の役割:大分県竹田市の事例

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タイトル別名
  • The Role of Policies for Developing the Food Processing Business : A Case of Taketa-shi, Oita Prefecture
  • ショクヒン カコウ ジギョウシャ ノ イクセイ ニ オケル セイサク ノ ヤクワリ : オオイタケン タケタシ ノ ジレイ

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抄録

論文

本稿では、食品加工事業者の育成における政策の役割を検討している。本稿の対象は、比較的小規模で、国内の生産地と結びつきの強い事業者である。近年、食品産業の内部、あるいは農林漁業との関係について、フードシステム論で多く検討されているほか、ショートフードサプライチェーンなど、いくつかの論点で採りあげられてきた。他方で、こうした事業者は、地域の産業振興における担い手として期待され、事業規模の拡大に向けて、いかにマーケティング活動を展開するのか、という点が論じられている。本稿で、竹田市の事例を検討したところ、生産・加工・流通に至るまで、幅広く政策的に支援したにもかかわらず、マーケティングの課題は残った。この背景には、経営者が副業と位置づけて、事業規模の拡大に消極的なことがある。確かに、本稿の対象とする食品加工事業者は、産業振興へ明瞭な効果をもたらさないが、食品の多様性や食文化の醸成に寄与することから、こうした事業者への政策的支援も求められる。その際に、直売所の整備、商談会の開催、テスト販売などの機会を提供して、食品加工事業者の経営方針と整合的な支援を図ることも、政策の在り方として求められよう。

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