対話がつなぐ領域・環境と人間関係:お手玉を作って、遊んで、気づくことに着目して

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Instructional Method of Contents in Childhood Care and Education Focusing on Environment and Human Relationship:The Effects of Making, Feeling, and Playing with Otedama

抄録

本稿では「教科」的なものの見方に馴染んだ学生が、「領域」の視点を習得するための授業実践について考察する。とくに、領域・環境と領域・人間関係に焦点をあて、この二領域間をつなぐ方法について考えるために1年次前期に実施する「お手玉づくり」と「お手玉あそび」の2コマにわたる実践を紹介する。「環境」の演習としておこなう「お手玉あそび」を、学生たちが共有するあそびの経験と捉えて、①「環境」の授業内において領域・人間関係の内容に即した説明も加えて伏線を貼っておき、そして②2年次開講「人間関係」の授業時に、この共有経験を積極的に事例として用いる、という方法で、同じ活動を二つの領域の視点で考えられるようになることを目指した。授業実践を通して、とくに、デジタルネイティブといわれる世代の学生たちの遊び経験の乏しさ、生活経験や語彙の不足による想像力の欠如、消費者としての学習態度(=要/不要を自分で判断できると思い込んでいる態度)などが、浮かび上がってきた。ここで明らかになった学生の状況をより丁寧に解読するとともに、教員は学生のロールモデルであることを自覚して、授業改善に取り組む必要があると思われる。

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