The Phase and Authenticity of Food Culture in Tourism: The Case of Italy

Bibliographic Information

Other Title
  • 観光における食文化の位相と真正性 ― イタリアを事例として

Abstract

観光の領域では、近年、その土地の食やそれに関わる文化が観光客をひきつける魅力として注目を集め、こうした分野に力点をおいた観光について、「フード・ツーリズム」や「ガストロノミー・ツーリズム」といった名称が付されるようになっている。こうした食を切り口に当該の地を深く知るという方向性をもつ観光は、国連世界観光機関(UNWTO)が2017年をそれと定めた「持続可能な観光国際年」も契機として関心を集めている、「持続可能な観光」という方向性とも近しいものである。それと同時に、食に関わる観光は、マス・ツーリズムからオールタナティヴ・ツーリズムへという観光に全般的にみられる展開を背景として、ますます追求されるようになっている真正性(オーセンティシティ)のニーズに対しても、地域の名産である食品の生産者とのコミュニケーションや、「地元民のように食べる」といった経験を通して応える性格をもつ。本稿は、食に関わる観光を、こうしたより広い、背景となる文脈のなかに位置づけたうえで、そこで重視されている真正性がいかにして存立しているのか、その構造にさかのぼりつつ検討する。具体的な事例としては、観光のみならず食の領域においてもその豊かさをしばしば指摘されるイタリアをおもに取り上げる。

Journal

Related Projects

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top