レーザー誘起蛍光撮像法によって観測した雰囲気ガス中のアブレーションプルームの構造と挙動

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タイトル別名
  • Ablation plume structure and dynamics in ambient gas observed by laser-induced fluorescence imaging spectroscopy

抄録

レーザー誘起蛍光撮像法を用いて雰囲気ガス中のアブレーションプルームの動的挙動を調べた。YAGレーザーの2倍高調波光をガドリニウムの酸化物や金属試料上に照射し、生成したプルームにはシート状の紫外色素レーザー光を交差させて、様々な時刻の蛍光像をICCDカメラによって撮影した。得られたプルームの断面画像から、ガドリニウムの基底状態の原子やイオンが、プルームとガスの境界の半球層内に蓄積されることや、プルームの中心部に粒子密度の少ない空洞が生じることが明らかになった。膨張の初期段階では、その空洞内を別の明るい成分が膨張し、半球層と合流する様子も観測された。このようなプルームの分離や合流は、イオンに比べて原子の方が遅く現れた。また半球層の出現もイオンに比べて原子の方が遅いが、出現位置はほぼ同じであった。このような出現位置の一致や出現時間のずれは、半球層の原子が、イオンとガスの衝突による三体再結合反応によって生じることを示唆している。得られたプルームの膨張ダイナミクスやプルームの詳細構造に関する知見は、レーザーアブレーションを利用する様々な遠隔分光分析法の実験条件を決める上で有用である。

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