The Changing Character of Ethnic Organizations of the Okinawan-Brazilian Community : Analysis of the Data from the 6th Worldwide Uchinanchu Festival

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  • 沖縄系ブラジル人エスニック組織の変遷 : 「第6回ウチナーンチュ大会」のデータを手がかりに

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Abstract

移住者は、ホスト社会に適応する際、エスニック・アイデンティティの保存とコミュニティの継続を促進し、脅威と思われる行動に対して防衛を図る。その過程において、共同体を代表する団体の設立につながる移住者の団結とネットワーク形成が見られる。文化とアイデンティティの維持がエスニック組織の主な役割とされているが、こういった団体はメンバーの定住過程にも大きな影響を与えている。エスニック組織というのは、文化・エスニック・アイデンティティの意識を共有する構成員によって設立されるものである(Sardinha, 2007)。そして、エスニック組織の活動は社会、レジャー、政治、文化、宗教、就労といった、様々な分野に広がる。本稿では、まずブラジルにおける沖縄系エスニック組織の発展過程を分析した。その過程を理解した上で、第6回ウチナーンチュ大会のデータに基づいてそのエスニック組織の実態と将来の展望を検証した。沖縄文化の維持と沖縄県とのつながりに関して、世代的な相違が見られた。若い世代は、日常生活において文化や言語力(うちなーぐちと日本語)の維持に消極的である。さらに、沖縄に関する情報源として、エスニック組織(県人会)よりも、インターネットやソーシャルメディアが多く挙げられた。多くの組織が沖縄県との交流プログラムを通じて若い世代の参加を促そうとしてきたが、その効果はまだ確かではない。本稿で取り上げる事例を見ても、交流プログラムの効果に疑問は残るが、世代交代によって生じる問題の対策として、ブラジルと沖縄に住む若い世代の交流が鍵となる可能性を示唆する。ブラジルの場合は、世代交代が進み、若い世代がブラジル社会に同化する傾向が強く、エスニック組織の維持継続はトランスナショナルなつながりにかかっている。ウチナーンチュ大会や日伯の若い世代の交流プログラムのような施策はブラジルにおける沖縄系エスニック組織の継続を促進する可能性を秘めている。

紀要論文

Journal

  • 移民研究

    移民研究 (14), 59-72, 2018-03

    Center for Okinawa Migration Studies

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