種子をめぐる市民組織・農民組織の国際的状況に関する考察 : 食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約第7回締約国会議参加を通じて  [in Japanese] A Preliminary study on global movement on seeds by civil society and farmers organizations : Perspective through participation in the 7th Governing Body Meeting of International Treaty on Plant Genetic Resources for Food and Agriculture  [in Japanese]

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Abstract

作物の遺伝資源の保全と利用の促進を図る国際的枠組みである食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約(ITPGR-FA)は,農業や農の営みにとって不可欠な投入物である種子に関して,農場が自ら保存した種子及び繁殖性の材料を保存・利用・交換及び販売する一切の権利を「農民の権利」として明示している。日本でも,このような自家採種に関する運動が,①ある時は海外の動向と連携や情報交換をしながら,②ある時は独自の流れの中で盛んになってきている。しかしながら,海外の動向と日本の動向の間には必ずしも共通点ばかりではなく,日本独自の取り組みが見られることも報告されている。 そこで筆者たちは,2017年10月29日から11月 3 日までルワンダ・キガリ市において開催された条約第 7 回締約国会議出席を通じて収集した情報を整理し,暫定的な分析を行った。① 農民による品種育成・種子生産が権利の問題であり,多国籍企業によるその侵害を食い止めるような国際会議等のアリーナで研究者や外交官がもっぱら行っている議論の重要性は否定できないこと② 農民はそのような議論が始まるはるか昔から,農を継続する当たり前の営みとして品種育成・種子生産を行っている事実の重さを関係者は厳粛に受け止める必要があること③ 種子を政治経済学の枠組み,特に経済的効率,食料増産や技術的安全性の枠組みで議論する限り,農民による品種育成・種子生産を本当の意味で捉えることは困難であり,農家・農民が自らの評価基準に根ざして継続的に自分たちに必要な品種・種子を利用,財やサービスを取りだしていく多様かつ多層性を持つシステムの発展が期待されることが暫定的に明らかになった。

Journal

  • 経済社会研究 = The journal of the Society for Studies on Economies and Societies

    経済社会研究 = The journal of the Society for Studies on Economies and Societies 58(3-4), 33-57, 2018-06-25

    久留米大学経済社会研究会

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    120006527940
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA12584414
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • ISSN
    2433-2682
  • Data Source
    IR 
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