原状回復請求訴訟における特定 : 除染請求の可否をめぐって  [in Japanese] Identification in claim of recovery  [in Japanese]

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Abstract

本稿は,福島原発事故を契機に提起されている原状回復請求(除染請求)について,これまでの裁判例を整理し,手続法たる民事訴訟法の視点から訴訟を提起するに際して問題となる請求の特定,確認の利益等の論点を分析するものである。これまでは,民法の物権的請求権のひとつである妨害排除請求の権利実現の問題は顕在化されてこなかった。しかし,妨害排除請求権を根拠に原状回復を求める場合,除染をするという作為請求について,権利者たる原告がその実現方法を具体的に特定していないために却下される判決が相次いでおり,この権利をどのように理解し,どのように考えれば権利が実現するかが実務においても問題になっている。これまでの環境公害訴訟では不作為請求をめぐり同様の議論があったが,解釈や裁判例の積み重ねでそれを乗り越えた過去がある。そこで,民事訴訟手続により権利を確定したうえで,民事執行手続に入るという両者の制度趣旨をふまえて,権利の確定と権利の実現は異なるという違いを再考すべきであり,原状回復請求を認めた上で,執行段階でその権利実現に向けた調整をすればよいと結論付けられる。したがって,除染請求につき,請求の特定レベルで却下するのではなく,妨害排除請求権の有無を判断すべきであり,執行段階でその権利実現を議論し,紛争解決を目指す必要がある。

Journal

  • 政治・経済・法律研究 = Politics, economics and law

    政治・経済・法律研究 = Politics, economics and law 21(1), 67-86, 2018-09

    拓殖大学政治経済研究所

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    120006529060
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA11314866
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Journal Type
    大学紀要
  • ISSN
    1344-6630
  • NDL Article ID
    029295389
  • NDL Call No.
    Z71-C219
  • Data Source
    NDL  IR 
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