ドミニカ共和国の日系人社会に見る居住環境の持続性と民族的帰属意識

抄録

1950年代に南米ドミニカ共和国に移住した日本人移民を対象に、生活学と文化人類学の視点から、居住環境の持続性と民族固有の文化的アイデンティティの保持・継承について明らかにすることを目的とする。  ドミニカ共和国へ入植後、現在まで全移民の約1/5にあたる家族が残留して生活を営んでいる。彼らの定住化を支えた要因の一つには、ドミニカ社会との相互交渉の中で日本人としての生活、行動、文化を強く規定してきた民族的な生活思考がある。それは、日系人社会においてどのような機能を果たし、表現され、受け継がれてきたのか、移民集落の中で育まれてきた生活文化継承の実態把握と約60年にわたる生活の記憶、移民母村となる日本での暮らしの記憶を辿りながら、日本人の生活文化と、その背後にある暮らし方の原理を探る。  移住の経緯、入植地の環境、生活習慣、住まいの形態、移民母村について調査・分析し、一時的な居住目的とは異なる、現地に定住することを決意した海外移民の暮らし方を読み解き、民族的文化と移住先の文化を互いに補完し合う地域や暮らしの特性を捉え直した。  なお、本研究では在ドミニカ共和国日本国大使館を通じて、各コロニア(集落)に居住する日本人と連絡調整を行い、研究を展開することができた。

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  • CRID
    1050001337812162944
  • NII論文ID
    120006539810
  • Web Site
    https://kobe-du.repo.nii.ac.jp/records/256
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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