<講義ノート>ネーター保存量としての熱力学エントロピー

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Abstract

エントロピーは物理学においてマクロとミクロの物理をつなぐ特別な役割を担っている。しかしその理解は平衡状態に限られており、系が時開発展する場合に対しては未だに明らかではない。だが、「断熱準静的操作の下でエントロピーは保存する」という過程は、断熱定理によってミクロな力学から理解されている。保存則と来たら、ネーターの定理により、対称性を考えたくなる。興味深いことに、ブラックホールのエントロピーはホライズン上の時間の対称性に対するネーターチャージとして定式化することができる。となると、エントロピーの断熱不変性に対応する対称性は一体何だろうか?本講義では、学部で学ぶ解析力学と古典統計力学の知識を使って、この問いに答える。そして、そこから導かれる新しい方向性を議論する。本講義はあまり多くの新しい内容を含まないが、その代わり、基礎的な内容をきちんと説明する。それらの組み合わせで、新しい基礎概念がどのように現れてくるのかを楽しんでもらいたい。講義は板書形式で行う。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390572174798569344
  • NII Article ID
    120006542058
  • DOI
    10.14989/235555
  • HANDLE
    2433/235555
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • Abstract License Flag
    Allowed

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