網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫患者のQuality of Lifeの評価
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抄録
網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫患者を対象に、The 25-item National Eye Institute Function Questionnaire(VFQ-25)を用いて、健康関連quality of life(QOL)を評価した。結果は以下のようであった。1)疾患なし、糖尿病網膜症、両眼加齢黄斑変性、網膜静脈分枝閉塞症とのスコアの比較では、加齢黄斑変性が最もスコアが低く、糖尿病網膜症と網膜静脈分枝閉塞症に差がなかった。2)抗VEGF薬硝子体内注射により、網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫患者の視力、中心窩網膜厚は有意に改善した。3)抗VEGF薬投与前後のVFQ-25のスコア変化は「全体的見え方」の項目が有意に改善していたが、その他は変化なかった。4)閉塞血管部位が耳上側と耳下側のVFQ-25スコアの比較では、耳下側のスコアが高い傾向があった。5)閉塞血管部位が耳上側の抗VEGF薬投与前後のVFQ-25のスコア変化は、「近見視力による行動」、「周辺視力」が有意に改善し、ほとんどの項目で改善していた。6)閉塞血管部位が耳下側の抗VEGF薬投与前後のVFQ-25スコアの変化は「近見視力による行動」が有意に低下し、ほとんどの項目で低下していた。以上から、抗VEGF薬硝子体内注射により、網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫患者のQOLは改善するが、閉塞血管部位により、治療前後で満足度に乖離現象がみられることがわかった。(著者抄録)
収録刊行物
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- 岡山赤十字病院医学雑誌
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岡山赤十字病院医学雑誌 29 40-47, 2018-11
岡山赤十字病院
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050564287991503104
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- NII論文ID
- 120006585761
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- ISSN
- 09158073
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
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