On the trail of The Last Samurai (III) : Himeji and Kagoshima

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抄録

本研究ノートは、2003年公開の映画『ラストサムライ』に関連する場所でのフィールドワーク記録を、3編の連続する研究ノートとしてまとめたうちの「その3」である。本稿では、同映画の結果、ツーリズムが活発化した2つの主な場所を取り上げる。すなわち、姫路市における同映画のロケ地、ならびに実在した「ラストサムライ」である西郷隆盛に関連する鹿児島市内の歴史文化遺産である。映画『ラストサムライ』の物語は、西郷の生涯を非常に大雑把にベースとしているに過ぎないが、同映画が鹿児島のツーリズムに与えた影響は非常に大きい。言い換えれば、同映画は、映画に関連する実在した「ラストサムライ」の歴史に関連付けられたコンテンツツーリズム目的地としての鹿児島のツーリズムに大きな影響を与え、同映画のロケ地を訪ねるフィルムツーリズム目的地としての姫路のツーリズムにはそれほど大きな影響を与えなかった。これは、筆者が「その1」「その2」で示した、ニュージーランドの『ラストサムライ』ロケ地におけるツーリズムへの影響と同じパタンを示す結果であった。つまり、ツーリズムへの影響は、映画が撮影・製作された国(場所)より、むしろ、映画において描かれた国(描かれた内容そのものに関連する場所)の方で大きい、ということが明らかとなった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050845763987846400
  • NII論文ID
    120006586002
  • HANDLE
    2115/73108
  • 本文言語コード
    en
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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