書誌事項
- タイトル別名
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- The formation of modern philosophical terminology in the Meiji era : Research on philosophy dictionaries
- メイジキ ニ オケル キンダイ テツガク ヨウゴ ノ セイリツ テツガク ジテンルイ ニ ヨル ケンショウ
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抄録
本稿では,語彙史の視点から近代哲学用語の成立を考察するにあたって,明治以後の哲学辞典8種を選定し,基本的な哲学用語を抽出して検討を加えた。方法としては,西周の訳語と『哲学字彙』初版の用語が,明治前期においてどんな役割を果たしていたか,また,その後の哲学用語にどんな影響を与えたかを解明するために,検討の対象となる881語を「西周と『字彙』初版の用語」と「西周と『字彙』以外の用語」の二部類にふりわけ,その下でさらに10項目の下位分類を設けた。そして,この下位分類によってグループ分けした各種の語について,所属語のリストを掲げ,それぞれの性質を検討してみた。結論から言えば,「西周と『字彙』初版の用語」は,近代哲学用語の草創期にあたる明治前期に早く登場し,明治全期にわたって強い影響を持っていた。これに対して,「西周と『字彙』以外の用語」は,明治後期から急増し,明治末期に増加のピークに達して,大正期以後しだいに減少していくというプロセスを経ている。大正後期になると,哲学用語の創出は終焉期を迎えたといえる。また,抽出した哲学用語では,在来語と新造語の比率は大体4対6の割合になっていることも今度の調査で明らかになった。
収録刊行物
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- 日本語科学
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日本語科学 12 96-127, 2002-10
国立国語研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174721581440
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- NII論文ID
- 120006595278
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- NII書誌ID
- AA1113775X
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- NDL書誌ID
- 6392451
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可