<論説>共和党右派とダグラス・マッカーサー大統領候補擁立運動

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  • 井口 治夫
    名古屋大学大学院環境学研究科(情報文化学部併任)教授

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Right-Wing Republicans and the MacArthur-for-Presidency
  • 共和党右派とダグラス・マッカーサー大統領候補擁立運動
  • キョウワトウ ウハ ト ダグラス マッカーサー ダイトウリョウ コウホ ヨウリツ ウンドウ

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抄録

ダクラス・マッカーサーは、政治的野心はあり、特に終戦後の擁立運動では大統領候補になることに関心はあったものの、こうした運動を、自身が直面する軍事的・政治的課題を後押しするための米国政権に対する圧力として利用していったのであった。ここではマッカーサーの信任が厚かったボナー・フェラーズの文書を利用することを中心にここまで述べてきたマッカーサー擁立運動について分析する。フェラーズ文書から判明したことは、一九三〇年代(フィリッピン時代) 以来マッカーサーに大変信頼されていたフェラーズが、前線のマッカーサーと米国内の共和党右派との重要なパイプ役をはたしていたことであった。それから、フェラーズとキャロル・リース下院議員との盟友関係から判明したことは、一九四八年の大統領選にむけたマッカーサー擁立運動は、ドイツ敗戦直後、つまり太平洋戦争末期に始まっていたのであった。このことは、これまでの研究で解明されていないことである。最後に、結論で述べているが、先行研究は、マッカーサーが大統領になる意欲を誇張しており、ロバート・ウッドの文書はその点を裏付けている。

収録刊行物

  • 史林

    史林 92 (5), 892-930, 2009-09-30

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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