<論説>近世真宗における神祇不帰依の宗風をめぐる争論の構造と展開

• 小林 准士

  島根大学法文学部社会文化学科准教授

書誌事項

タイトル別名

• <Articles>Structure and Development of the Dispute over the Jodo Shinshu's Tradition of "No Reverence for Other Gods" in Early Modern Japan
• 近世真宗における神祇不帰依の宗風をめぐる争論の構造と展開
• キンセイ シンシュウ ニ オケル ジンギ フキエ ノ シュウフウ オ メグル ソウロン ノ コウゾウ ト テンカイ

抄録

一八世紀半ば以降、山陰地方の浄土真宗優勢地帯では、真宗門徒が小寄講を結成し僧侶を招いて法談を聴聞する活動が活発となる。この法談の場を通じて、僧侶たちは門徒に対し浄土真宗の神祇不帰依の宗風を遵守するように教導していくが、いっぽうでこの宗風をめぐって神職などとの紛争もしばしば起こるようになった。また、同じく一八世紀半ば以降、領主や村役人たちは、活発化する民衆の宗教活動の統制を図ろうとしたが、こうした民俗の世界への介入は民衆の信仰の獲得をめぐって競合する宗教者間の対立を表面化させ、かえって紛争誘発の原因ともなった。特に、真宗優勢地帯において専業の神職が多数の神祠・森神の祭祀と各家における竈祓いの執行に関わっているような出雲国や石見国では、それが神祇不帰依の宗風をめぐる僧侶と神職の争いとして現象しやすかったのである。

収録刊行物

• 史林

  史林 96 (4), 525-565, 2013-07-31

  史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

キーワード

• 200

詳細情報

• CRID: 1390290699823330432
• NII論文ID: 120006598708
• NII書誌ID: AN00119179
• DOI: 10.14989/shirin_96_525
• HANDLE: 2433/240311
• NDL書誌ID: 024745460
• ISSN: 03869369
• Web Site: http://ir.lib.shimane-u.ac.jp/38048
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I024745460
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用可