<論説>戦後期イングランドにおけるプロ・フットボールの社会的文脈の変化 : フットボール争議の分析を中心に

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タイトル別名
  • <Articles>The Change in Social Context of Professional Football in Post-war England : Focusing on the Football Dispute, 1945-1964
  • 戦後期イングランドにおけるプロ・フットボールの社会的文脈の変化 : フットボール争議の分析を中心に
  • セン コウキ イングランド ニ オケル プロ ・ フットボール ノ シャカイテキ ブンミャク ノ ヘンカ : フットボール ソウギ ノ ブンセキ オ チュウシン ニ

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抄録

第二次世界大戦後のイングランドのプロ・フットボールにおいて、選手の契約・給与問題を巡ってフットボール・リーグと選手組合は労働省を巻き込む形で争議に突入した。二〇年近く断続的に続いた争議を通じて財政規則が改定され、選手の待遇や社会的イメージの向上が図られたが、リーグの閉鎖的なガバナンスのあり方の根幹は保たれた。その一方で、争議を通じてメディアの報道や政府のスポーツ推進政策が加熱し、国際的競争が激化したこともあり、フットボールへの国民の注目度が高まった。メディアや政府などの多様な回路と結びつくことで、プロ・フットボールは単なる娯楽産業の枠を超えた存在になっていった。つまり、争議を通じてプロ・フットボールは、国家の福祉政策を充実させるための財源として、国際競争における国の誇りを体現する国民的行事として、イングランド社会におよぼす影響をましていったのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 96 (6), 743-779, 2013-11-30

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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