<論説>近世ブラウンシュヴァイク公国における財団・基金の歴史 : 財団・基金の宗派・地域史に向けて

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タイトル別名
  • <Articles>Stiftungsgeschichte im Herzogtum Braunschweig in der Fruhen Neuzeit
  • 近世ブラウンシュヴァイク公国における財団・基金の歴史 : 財団・基金の宗派・地域史に向けて
  • キンセイ ブラウンシュヴァイク コウコク ニ オケル ザイダン ・ キキン ノ レキシ : ザイダン ・ キキン ノ シュウハ ・ チイキシ ニ ムケテ

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抄録

現在のドイツは、日本などと異なり、財団の活動が活発である。その淵源はすでに近世に見いだせる。しかし近世ドイツの財団・基金の歴史は、ほとんど未開拓の分野である。将来宗派・地域史の観点から財団に関する比較研究を行うために、その第一歩としてルター派のブラウンシュヴァイク公国の財団史を考察した。財団の種類はおおむね福祉財団と助成財団に分かれた。財団を通じた民間の支援活動は近世末にはすでに日常風景となりつつあったことが、公文書館史料から確認できた。つぎに支援活動に私財を投じた発起人たちの動機を調べるために、彼らに捧げられた追悼説教を考察した。故人の名誉を顕彰する機会である追悼説教で、地域貢献を誇示したいわけありの貴族や市民階級が、自らの基金による支援活動を積極的に語らせた。いっぽう君侯や貴族はそれを伏せるか、常套的に済ますのがつねであった。前者の動機が時代とともに優越するであろうという見通しを立てた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 98 (3), 431-466, 2015-05-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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