<論説>国際仲裁と国際世論 : 一八八三年、「越南問題」におけるアメリカ外交官の関与とその影響について

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タイトル別名
  • <Articles>International Arbitration and International Public Opinion: A Study of American Diplomatic Efforts and Their Results in the Tongking Affair
  • 国際仲裁と国際世論 : 一八八三年、「越南問題」におけるアメリカ外交官の関与とその影響について
  • コクサイ チュウサイ ト コクサイ ヨロン : イチハチハチサンネン 、 「 エツミナミモンダイ 」 ニ オケル アメリカ ガイコウカン ノ カンヨ ト ソノ エイキョウ ニ ツイテ

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抄録

一八八〇年代前半にベトナムをめぐって生じた「越南問題」は、清朝が自らの属国とみなす国をめぐって欧米諸国と戦火を交えた唯一の事例清仏戦争に至った。従来、「越南問題」は、清朝とフランス両当事国の問題として検討されてきたが、本稿は第三国として関与したアメリカの影響を検討する。第一章では、一八八三年七月初めに行われた清朝による対米仲裁依頼が、国際世論と国際仲裁を結びつけたアメリカ駐清公使ヤングの助言に基づくことを示す。第二章では、国際仲裁の実現を目指したアメリカ外交官の活動が、清仏の対立を深刻させたことを明らかにする。第三章では、一八八三年一一月に清朝の発した各国宛同文通牒が、アメリカ駐清公使館員の助言にも依拠していたこと、この同文通牒が国際世論を動かして和平の実現という目的とは逆に、清仏の軍事衝突を決定的としたことを示す。

収録刊行物

  • 史林

    史林 101 (2), 356-391, 2018-03-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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