高校教員から見た大学による高校訪問

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タイトル別名
  • The Effects of High School Visit as Student Recruiting upon the Attitudes of High School Teachers
  • コウコウ キョウイン カラ ミタ ダイガク ニ ヨル コウコウ ホウモン

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抄録

本稿の目的は、近年多くの大学によって行われている高校訪問活動について、高校側がその応対経験をどのように理解しているかを実証的に明らかにすることである。本稿では、東海地域の高校で大学からの訪問に応対した経験を持つ教員に対して質的調査を実施し、グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行った。主要な結論は次の通りである。第1に、大学による訪問は機関の属性等を問わず基本的に歓迎するが、訪問で得られた情報が学校内で共有されることはほとんどない。ただし、教員の主観的な大学像や事前に把握した生徒ニーズに沿った情報である場合、限定的に共有される可能性がある。第2に、訪問の中で教育・学習活動に関する強みや特色が示されないことに強い批判がある。教員による具体的な学習の姿が示される場合、この批判が緩和される可能性がある。第3に、これら2点の背景には、教員自身が持つ大学や進学に関する価値観、および同僚教員や生徒の進学に対する考え方が強く影響している。これらの結果は、大学側に高校訪問の意味づけを再検討する際に、重要な示唆をもたらすものである。

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