音声の「視覚化」による日本語の韻律指導

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  • Using Praat to Teach Japanese Prosody
  • オンセイ ノ シカクカ ニ ヨル ニホンゴ ノ インリツ シドウ

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抄録

日本語学習者の日本語の韻律、特にアクセントとイントネーションの自然さに関心が高まり、最近の音声教育のキーワードがプロソディーになっている。本稿は、2018年度春~夏学期に開講した「日本語音声学入門」講義の一環として、音声分析フリーソフトウェア「Praat」を用いた日本語の韻律特性の指導法および指導効果を記述するものである。音声の「視覚化」が、日本語学習者の韻律習得にどのような影響を与えるか、またどのような問題が依然として残るのかを明らかにする。講義の中で実際に取り組んだ流れとして、①韻律指導前のアクセント・イントネーションの特徴を確認する、②韻律指導を行う(音韻知識の導入および音声の「視覚化」のトレーニングの実施)、③韻律指導の効果を確認する、の3つの部分に分けられる。「視覚化」による韻律指導を実施した結果、学習者のアクセントとイントネーションの実現が大幅に改善された。音声の「視覚化」による韻律指導は自己モニター力を促すために極めて有効であることが明らかになった。音声を「視覚化」してモデル音声と比較することによって、特に単語・文節レベルの韻律産出が顕著に向上し、日本語の個々の語彙のアクセントをより効率よく習得するのに役に立つと考えられる。

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