How (not) to teach “phonological rules” in Arabic instruction

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  • アラビア語教育における「音韻規則」の扱いについて
  • アラビアゴ キョウイク ニ オケル オンイン キソク ノ アツカイ ニ ツイテ

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研究ノート

アラビア語には、音節構造に関する音韻制約によって引き起こされる、種々の語彙的・後語彙的音韻規則が存在する。つまり、アラビア語学習者は、ある程度こうした「音韻規則」を理解しなければ、アラビア語を正確に発話・作文することはおろか、辞書を引くことも、書かれた文章を流暢に発音することも不可能である。このため、伝統的なアラビア語教育においてはある種の「(形態)音韻規則」の説明が教育現場で用いられてきたが、それはごく限定的に(パラダイム・レベルで)一般しつつ、そこから演繹的な説明を行うという形での(例えば「CCwという型の語根をもつ動詞に関しては、その三人称単数男性形においてはawa → āのような変化が生じるため、CaCawaではなくCaCā という形式となる」のような記述形式をもつ)。こうした形式での説明は、矛盾を生じにくく網羅的とはなるが、有用な新情報を提供せず、記述が余剰的であるという否定的側面を強くもつ。一方で、近年のコミュニカティブ・アプローチに基づくアラビア語教育では、こうした「音韻規則」を一切廃し、反復練習による「慣れ」で解決される、という方針が採られる傾向が見られる。しかし、こうした方針は非効率であるというだけでなく、学習者が抽象的思考に基づき言語現象を理解する、という(大学等の高等教育機関における)語学学習の一つの学術的意義を損ねてしまう。本稿は、効果的かつ語学学習に「主体的学習」という意義をもたらす新たなアラビア語教育法を開拓することを目的とし、これまで十分検討されてこなかった、言語学的(現代音韻論的)枠組みを応用した「音韻規則」について検討することを目的とする。本稿では試験的に、単母音化・短母音化・母音挿入という三つの(パラダイム・レベルを越えて一般化された)音韻規則と、これらについての単母音化→短母音化→母音挿入という規則適用順、および以上の一般化に対する例外現象、という形で一部のアラビア語音韻現象を整理する。この上で、まず学習の初期段階ではごく少数の音韻規則とそれらの適用される順序を(ごく限られた例とともに)導入し、そして学習が進むにつれて以上の規則に関するより詳細な条件や例外現象を導入する(あるいは学習者が主体的に気づくよう促す)という方法を提案する。

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