calpain はがん転移における腫瘍細胞の遊走および浸潤に関与するが,腫瘍細胞によって誘導される血小板凝集には関与しない

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タイトル別名
  • Calpain is involved in tumor cell migration and invasion in cancer metastasis but not tumor cell-induced platelet aggregation.
  • calpain ワ ガン テンイ ニ オケル シュヨウ サイボウ ノ ユウソウ オヨビ シンジュン ニ カンヨ スル ガ,シュヨウ サイボウ ニ ヨッテ ユウドウ サレル ケッショウバン ギョウシュウ ニワ カンヨ シナイ

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抄録

以前より腫瘍細胞が血小板凝集能を惹起し,血行性転移における遠隔臓器の血管内皮への接着に重要な役割を果たすと考えられているが,その分子メカニズムについて不明な点も多い。そこで本研究では,カルシウム依存性細胞内システインプロテアーゼであるcalpain に着目し,癌転移におけるcalpain の役割について検討を行った。B16/BL6メラノーマ細胞株,colon-26直腸がん由来細胞株の遊走能,浸潤能はコントロールと比較しcalpain 阻害剤,ALLN 添加により有意に抑制された。この傾向は他のcalpain 阻害剤EST,PD150606,calpastatin peptide 添加でも確認された。一方,過去の報告と同様に血小板凝集は腫瘍細胞添加によって惹起されたが,ALLN 添加で抑制できなかった。以上の結果から,calpain はがん転移における腫瘍細胞の遊走および浸潤に関与するが,腫瘍細胞によって誘導される血小板凝集には関与しないと考えられた。

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